2024年8月11日放送の健康カプセル!ゲンキの時間は食事中にむせませんか?…名医が徹底解明!「誤嚥」の原因や予防法について紹介されました!
教えてくれたのは東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科
摂食嚥下リハビリテーション学分野 准教授 歯学博士の中川量晴さんです。
食事中にむせませんか??命を脅かす誤嚥の恐怖
「誤嚥」の基礎知識
誤嚥とは?
飲み込んだ食べ物や唾液などが食道ではなく気管に入る事です。
普段空気しか通らない気管に食べ物、飲み物・唾液などが入る事でむせる症状が出ます。
中川量晴さんによると、食事中にむせてしまうのは”飲み込み力”が衰えているからとのことです。
飲み込み力が落ちる原因①「舌の力の衰え」
むせと舌の衰えの関係
食べ物が通る食道は喉の奥にあり、気管はその手前にあります。
そして口に入った食べ物は咀嚼された後、舌が上顎にくっつき押し潰されながら食道に運ばれます。
ところが舌が衰えると、食べ物を押し出す力が弱くなり食道まで食べ物を送り込めず、手前の気管に入る事が増えてしまうとのことです。
なぜ舌は衰える?
中川量晴さんによると、舌は筋肉の塊です。
普段から使っていないと徐々に力は衰えていくとのことです。
「軟らかいものばかり食べる」「噛まない」「食事のスピードが速い」といった習慣は、舌を使う機会が減るので舌の力が衰える傾向にあるとのことでした。
他にも人は話す時にも舌を使うため、会話の機会が少なくなると舌の筋肉が衰えてしまとのことです。
そのため「滑舌が悪くなった」「電話で聞き返されることが増えた」と感じる場合は、舌が衰え始めている可能性があるとのことです。
飲み込み力が落ちる原因②「喉のブロック力の衰え」
喉の気管の入口には「喉頭蓋(こうとうがい)」という蓋があります。
飲み込む時この蓋が反射的に閉じる事で食べ物・飲み物が気管に入らないよう自動的にブロックしているとのことです。
しかし、喉の筋肉が加齢などで衰えてしまうと喉頭蓋が閉まるタイミングがズレてむせてしまうとのことです。
舌の力が正常でも喉頭蓋の動きが悪いと食事中のむせにつながるため、注意が必要とのことでした。
飲み込み力が落ちる原因③「声帯の衰え」
声帯の衰えとむせの関係
声帯は喉頭蓋の下にあり、空気を吐き出す時に震えて声を発するという役割があります。
実はその他に気管に入ってきた食べ物をブロックする役割もあるとのことでした。
しかし、しっかり閉まる健康な声帯と比べて衰えた声帯は少し隙間が空いてしまいます。
するとその隙間から食べ物が通過してむせにつながってしまうとのことでした。
あなたの声帯は大丈夫?声帯の衰え簡単チェック法
裏声で「あー」と5秒間声を出してみてください。
中川量晴によると、裏声は声帯を上手に使わないと出すのが難しい声とのことでした。
そのため声が掠れる場合や裏声が出せない場合は、声帯が衰えている可能性があるとのことです。
麺類はむせやすい?
ラーメンなどの麺類は固体と液体がある食べ物は麺を勢いよくすするとスープも一緒に吸い込まれます。
すると、スープが気管に入りやすく誤嚥につながりやすいとのことでした。
そのため高齢者やむせる人は一気にすすって食べないようにしたり、
麺とスープを分けて食べたりして工夫する事でむせや誤嚥などの事故を予防する事ができるとのことでした。
簡単!声帯の衰えを予防する「発声エクササイズ」
姿勢を正してお経を唱えるようにゆっくり一息で五十音を発声します。
五十音全て言う必要はなく、無理のないスピードと長さで大丈夫です。
これを1セット3回朝昼夜に行います。
徐々に長く言えるようになるのが理想とのことでした。
誤嚥を防ぐ工夫とは!現場から学ぶ誤嚥予防法
飲み込み力は、加齢の他にも脳梗塞の後遺症やパーキンソン病などによって衰える事があるとのことです。
そこで病気や怪我で飲み込み力が衰えた人たちが実際に行っている回復法や誤嚥予防法が紹介されました。
まだむせていない方にも効果的!頭部拳上トレーニング
入院などで長期間寝たきりの状態が続くと全身の筋力が低下します。
それに伴い飲み込みに必要な喉元の筋力も低下するとのことでした。
そこでリハビリでは頭を上げ下げする筋トレ「頭部拳上トレーニング」を行うとのことでした。
やり方は簡単です。
横になった状態で10秒間頭を持ち上げ、つま先を見るだけ。喉元の筋肉が鍛えられ誤嚥のリスクが下がる効果が期待できるとのことでした。
食事にも誤嚥を防ぐ工夫を
誤嚥を防ぐためには食べやすいように小さく切る事も重要ですが、特に大切なのが「軟らかさ」とのことです。
放送された病院では飲み込む力が衰えている人のために食事を軟らかくしたり、とろみをつけたりして飲み込みやすくしているとのことでした。
さらに食事の際に炭酸飲料も出しているといいます。
中川量晴さんによると、炭酸飲料は「シュワシュワ」という炭酸の感覚が喉を刺激し、食べ物の飲み込みをスムーズにする効果が期待できるとのことでした。
毎日の大切な食事を楽しく摂るためにも、工夫と対策で誤嚥を防ぎたいですね。
まとめ
参考になれば幸いです。
【ゲンキの時間】食事中のむせや誤嚥対策喉筋トレのやり方を西山耕一郎さんが紹介!
【チョイス】反復誤嚥下テストと予防トレーニングのやり方を戸原玄さんが紹介!
【すまたん・ZIP】どんな言葉が噛みやすいのか?を紹介!とれたてリサーチ
最後までお読みいただきありがとうございました。